グルメ

田舎の母が作るクリスマスケーキ

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クリスマスケーキと聞くと思い出すのが九州の田舎の母の手作りケーキだ。

手作りといっても、スポンジは市販のものを近くのスーパーで買ってくる。

スポンジとスポンジの間を開き、そこに泡立てた生クリームをこれでもかとばかりに塗りたくる。塗る、というよりは、積み上げる、と言った方が適切かもしれない。

スポンジよりも厚く厚く、甘〜い生クリームをドカンと積むのだ。

そして缶詰のみかん(これまた甘い)と、季節外れのイチゴ(これはあんまり甘くない)をパラパラと置く。

輪切りのバナナをまあるく並べることもある。

そしてフルーツを置いたらスポンジを閉じて、そこにまた甘い生クリームをドカドカと積む。

最後に一番上に載せるのは、シュガークラフトのサンタクロースだ。

我が家のケーキは誕生日でもひな祭りでも卒業式でも、いつも市販のスポンジにたっぷり生クリーム。

生クリームは多ければ多いほど美味しいという母のポリシーによるものだが、クリスマスの日だけはそのケーキにサンタクロースが載っていた。

生クリームに腰まで埋まったサンタクロースが、私にとってのクリスマスだった。

幼稚園生のときも、小学生、中学生、高校生になっても、私のクリスマスケーキは母のケーキだったし、それを見ると心が踊るのだった。

「やっぱり生クリームは多いほど美味しいわ~」という母の笑顔と、口の周りに生クリームをつけてサンタじみた顔になった父を見ながら砂糖のサンタを頭からかじるのが私のクリスマスだった。

大人になった私は東京で就職し、表参道や銀座のおしゃれなカフェもケーキ屋もいくつも知ることとなった。

デートで連れて行ってもらったこともあれば、女子会の会場として使ったこともある。

でもクリスマスだけはそんなおしゃれカフェの甘さ控えめなケーキでは落ち着かない。

ブッシュドノエルみたいな格好いい形のケーキでもだめ。

真っ白な生クリームに、呆けた顔のサンタクロースを腰まで沈めないと気が済まない体質になってしまっているのだ。

最悪、フルーツは無くたってまあ構わない。

そんなわけだから、3年前のクリスマスは一人でケーキを作って食べた。

母が全く同じケーキを作っている写真が送られてきて笑った。

そして去年は夫と、また同じケーキを作った。

脂質の多さにちょっとびっくりされた。

そして今年は小さな娘をシェフに加えて、また同じケーキを作るつもりでいる。

また田舎の母からも、生クリームの塊のようなケーキの写真が送られてくるんだろうなあ。

三越シュトーレン

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